地球温暖化対策の決め手! 自然エネルギーが果たす役割とは

地球温暖化対策の決め手! 自然エネルギーが果たす役割とは

地球温暖化への関心が高まっています。現在、国際的な取り組みにより、地球温暖化の現状やその影響、将来予測が明らかとなり、温暖化に対する具体的な対策が提唱されています。では、そもそも地球温暖化とはどのようなものでしょうか。対策が急がれるのはなぜでしょう。そして、地球温暖化対策において自然エネルギーが果たす役割とは……?

 

「地球温暖化」の裏付けと現状

ここでは、気候変動に関する政府間パネル(以下、IPCC)の資料をもとに、「地球温暖化が実際に生じている」ことの裏付けおよび現状についてみていきたいと思います。

IPCCは、世界気象機関(WMO)および国連環境計画(UNEP)により1988年に設立された国連の組織で、その任務は、科学者などが地球温暖化に関する科学的・技術的・社会経済的な評価を行い、得られた知見を政策決定者や一般に利用してもらうことです 1)。

以下の図1は、IPCCが2014年に公表した第5次報告書の資料に、環境省が文言を補足したもので、1986年から2005年の間の平均気温に対する偏差を表しています 1)。

図1 世界平均地上気温(陸域+海上)の偏差
出典:環境省HP(2015)「IPCC第5次評価報告書の概要―統合報告書―(2015年3月版)」p.12
(‘IPCC AR5 SYR SPM Fig.SPM.1(a)’を環境省が加工)    
https://www.env.go.jp/earth/ipcc/5th/pdf/ar5_syr_overview_presentation.pdf/

図1をみると、世界の平均気温は、1880年から2012年の間に0.85℃上昇したことがわかります。

IPCCの同報告書では、より長期間の気温変化をみるために、過去1000年にわたる北半球の気温変化を、気候モデルによるシミュレーションと復元で再現しています 2)。

図2 北半球の気温偏差(シミュレーションと復元による)
出典:国土交通省気象庁HP(2015)[気候変動 2013:自然科学的根拠 技術要約」(気象庁訳)( 気候変動に関する政府間パネル第 1 作業部会により 受諾された報告書より 気候変動に関する政府間パネル 第 5 次評価報告書 第 1 作業部会報告書の一部)p.78
http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/ar5/ipcc_ar5_wg1_ts_jpn.pdf

図2は1500年から1850年までの平均気温に対する偏差を表していますが、図中の赤線は気候モデルによるシミュレーションを、陰影は木の年輪などの間接的データからの復元を示しています。

以上のような状況から、同報告書は「気候システムの温暖化には疑う余地がなく、また、1950年代以降、観測された変化の多くは、数十年から数千年間にわたり、前例がない」と断定しています。

このことは地球温暖化が確かに生じているという裏付けです。

 

地球温暖化の要因

~地球温暖化のメカニズムと温室効果ガス~

では、地球温暖化はどうして生じるのでしょうか。
3は、地球温暖化の要因である温室効果のメカニズムを表したものです。

図3 温室効果のメカニズム
出典:国土交通省気象庁HP「温室効果とは」
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p03.html

地球の大気には温室効果ガス(以下、「GHG」)と呼ばれる気体が含まれています。これらの気体は赤外線を吸収し、再び放出する性質があります。
赤外線は太陽からのエネルギーで暖められ、地球の表面から地球の外に向かいますが、GHGの働きで、その赤外線の多くが熱として大気に蓄積され、再び地球の表面に戻ってきます。
この戻ってきた赤外線が、地球の表面付近の大気を暖めます。これを温室効果と呼びます。
このような温室効果がないと、地球の表面気温は氷点下19℃になると推測されています。つまり、GHGによって地球の平均気温は現在、約14℃に保たれているのです。
以上のように、GHGはなくてはならないものなのですが、GHGが増えると温室効果が強まり、地球の気温が高くなります。これが、地球温暖化のメカニズムです 3)。

~二酸化炭素の増加と地球温暖化~
温室効果をもたらすGHGには、二酸化炭素(以下、「CO2」)、メタン(以下、「CH4」)、一酸化二窒素(以下、「N2O」)、フッ素化ガスなどがあります。

図4 工業化以降のGHG濃度の変化
出典:環境省HP(2015)「IPCC第5次評価報告書の概要―統合報告書―(2015年3月版)」p.13
(‘IPCC AR5 SYR SPM Fig.SPM.1(c)’を環境省が加工)   
https://www.env.go.jp/earth/ipcc/5th/pdf/ar5_syr_overview_presentation.pdf/

図4は、工業化以降のGHG排出量の変化を表しています。

この図から、工業化以降、人間の行為に由来するGHGの排出が、大気中のCO2、CH4、N2Oの濃度を大幅に高めたことがわかります。
IPCC第5次報告書では、こうしたGHG排出増加による影響は、「20世紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な原因であった可能性が極めて高い」(95~100%の確率)と述べられています 1)。

図5 1970年以降のGHG排出量
出典:環境省HP(2015)「IPCC第5次評価報告書の概要―統合報告書―(2015年3月版)」p.14
(‘IPCC AR5 SYR SPM Fig.SPM.2’を環境省が加工)
https://www.env.go.jp/earth/ipcc/5th/pdf/ar5_syr_overview_presentation.pdf/

上の図5は、1970年以降のGHG排出量を表しています。
化石燃料の燃焼と工業プロセスに起因するCO2排出量は、1970年-2010年間のGHG総排出量増加の約78%を占めています。
次の図6は図5の2010年時点におけるGHG排出量の種類別割合を気象庁が円グラフにしたものです。

図6 人為起源の温室効果ガス総排出量に占めるガスの種類別割合
出典:国土交通省気象庁HP「温室効果ガスの種類」
(‘IPCC AR5 SYR SPM Fig.SPM.2’を基に気象庁が作成)
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p04.html

図5と図6からわかるように、GHGのうちCO2は地球温暖化に及ぼす影響がもっとも大きいものです。石炭や石油などの化石燃料の燃焼によりCO2が大気中に放出されます。一方、大気中のCO2の吸収源である森林は減少しています。こうしたことから大気中のCO2は年々増加しているのです 4)。

図7 さまざまな一連の証拠による、世界の累積総CO2量と世界平均気温上昇量
出典:環境省(2014)「IPCC第5次評価報告書の概要―第1作業部会(自然科学的根拠)」p.53
https://www.env.go.jp/earth/ipcc/5th/pdf/ar5_wg1_overview_presentation.pdf

上の図7は、世界の累積総CO2量と世界平均気温上昇の相関関係を表しています。
IPCC同報告書は、こうした気温上昇はCO2の累積濃度とほぼ比例しているという新見解を発表しています 2)。