「ゼロ・ウェイストの街」「葉っぱビジネスの街」としてご存知の方も多いのではないでしょうか。
徳島県上勝町は人口約1500人(2020年3月現在)という規模ですが、2003年に日本で初めて『ゼロ・ウェイスト宣言*1』を行い、世界的に有名な町となりました。『ゼロ・ウェイスト宣言』とは、名前の通り、「ゴミ(無駄)をゼロにする宣言」です。
この町でクラフトビールを製造しているRISE&WIN BREWINGは、ビールの製造に使用する電力をすべて「自然電力のでんき」の「SE100」プランに切り替え、自然エネルギー100%由来、二酸化炭素排出係数ゼロの電力でビールを醸造しています。
これまでも、廃棄される食材をつかってビールを醸造するなど、環境負荷を下げる取り組みを行なってきたRISE&WIN BREWINGが、さらにエネルギーの切り替えも行ったことで、醸造の過程で出されるウェイストの中の“発電することによって生まれるウェイスト(二酸化炭素)もゼロ”になりました。
今回は、RISE&WIN BREWINGを経営する株式会社スペックの代表取締役社長の田中達也さんに、電力の切り替えに至った経緯やこれまでのゼロ・ウェイストへの取り組みについてのインタビューを行いました。
「ゼロ・ウェイスト」というキーワードばかりに目が行きがちですが、根底にある『上勝町への想い』『クラフトビールへの想い』『未来への想い』を伺うことで、田中社長ご自身のふるさとに対する想いや、上勝町という場所にもっと多くの人に訪れてもらうために実行してきたこと、そしてなによりそれらの視点をビジネスを通してつなぎ、実現してきた軌跡を知ることができました。
それでは、1本のクラフトビールに込められたストーリーをお伝えします。
*文章中に登場する店舗の営業時間や施設のオープン時期については新型コロナウイルスの影響で変更になっている可能性があります。最新の情報については直接店舗の情報をご確認ください。
失われつつある海苔の文化を守り・つなぐ挑戦
RISE&WIN BREWINGを展開する株式会社スペックの代表取締役社長田中達也氏(以下、田中さん)は、徳島県徳島市の出身です。
食品衛生の会社である株式会社スペック(以下、スペック)の社長として事業を行う中、十数年前から、検査に持ち込まれるスーパーマーケットの日配品(お惣菜など)から地元業社の名前が消えていき、遠くの業者のものが並ぶようになったことにふと気づき、自分たちが食べているものが、(自分の地域でも作り・売れるものなのに)わざわざ遠くから運ばれてくるようになっていることに違和感を感じたといいます。そして加速する人口減少や生産者の廃業のニュースに心をいため、これから先自分の子供たちの世代に何が残るのか、何を残すのか、何か行動を起こさなければならないと考えるようになりました。
そしてそんな折、ある海苔漁師さんとの会話で、大事な食の文化も失われていることを知ります。
徳島は昔から海苔漁が盛んで、徳島産の海苔は高級贈答品として販売されていました。しかし家で巻き寿司などを作る機会は減り、おにぎりはコンビニで買うものになり、安価な加工海苔の消費が増え、本物の海苔の販売量は減っていました。自分が子供のころに当たり前にあった、家族みんなでわいわいと巻き寿司を食べる文化やお母さんがにぎったおにぎりを頬張ること、そんな当たり前だと思っていた食の文化が失われつつあることに田中さんは危機感を持ちました。
そしてもう一つ、田中さんがこの海苔漁師さんから学んだことがあります。
この漁師さんは、自分の漁場である海ではなく、山の保全に取り組んでいたのです。彼は『海は山とつながっている。その海をきれいにするにはまずは海の元になっている山をきれいにすることからだ』という俯瞰的な自然観をもち、その行動をとっていました。この言葉は田中社長の心に深く刻まれ、 “何事も、マクロな視点を持つことが重要。小さなことから大きな変化を起こすことができる”と信じる礎になったのでした。
そして田中さんは、日本人が1000年以上も前から食べている海苔の文化をどう残していくのか?ということを考え、自ら地元の海苔をつかった商品開発に取り組む、という行動を起こしました。
新しい商品の開発に試行錯誤し、海苔漁師がとりたての海苔を生で食べているということを知り、それを再現するために、採ったその日に加工しなければ鮮度が落ちてしまう海苔をおいしいまま流通させることができる技術をなんと1年かけて開発したのです。
この方法で保存した海苔を食べた海苔漁師さんは『革命や!』と言って喜んでくれたそうです。
田中さんはこの美味しい海苔を広め、海苔の文化を知ってもらうべく、催事の出店や百貨店・料亭・レストランなどへの営業をし続けました。そんな努力が実り、少しずつ海苔の取扱量が増え、この取り組み自体を知ってもらえるようになったのでした。
そしてそんな中、この取り組みを知った上勝町から招かれ、田中さんは初めて上勝町を訪れました。
2011年のことです。
住人の生活を知り、見えてきたゴミ問題の解決策
当時上勝町も人口減少が止まらず、何か活性化のための施策を、というのが町からの相談でした。
初めて訪れた上勝町は、山も川も空気もとてもきれいでとても気持ちがよい場所でした。ただ、“上勝町にしかない魅力”を探していた田中さんにとって、この景色はめずらしいものではありませんでした。そして最後に見学したのが、上勝町内のゴミを全て回収しているごみ収集センター(日比ヶ谷ゴミステーション)でした。
上勝町には焼却施設がなく、各家庭が(当時)34種類にゴミを分別し、このゴミステーションに持ち込みます(ゴミ収集車もありません)。必要に応じてリサイクルされ、本当に使い道のないものだけが「どうしても燃やさなければならない物」(本当にそう書いてあるそうです)として焼却処分されていたのです。田中さんはこの場所をみた瞬間、これこそがこの町の魅力として多くの人に伝えるべきことだと感じたと言います。
当時、町には年間2000-3000人もの人々が、このごみステーションの視察に訪れていました。
結果、問題も起こっていました。住民が自分のゴミを捨てるためにゴミステーションに行く際に、見学の方がたくさんいらっしゃると自宅のゴミを見られるのが恥ずかしくてゴミを出さずに帰ってきてしまったり、その時間を避けてゴミステーションに行ったりしているという例があり、ゴミステーションのリニューアルの必要性がでてきていたのです。
そこで田中さんは新しいゴミステーションを提案しました。しかし、色々な意見があり、この計画はすぐには進みませんでした。
そんな最中、人口はどんどん減っていき、一刻も早くこの人口流出を止めなければいけない、という危機感は増していきました。新しいゴミステーションの計画が思うように進まない中、田中さんは、「この町で自ら事業を興すことでこの町に貢献しよう」と決意します。とにかくまずそうすることで自分の本気の姿勢・覚悟を示したかったといいます。
そして最初は“御用聞き”の仕事をしました。町民の家を周り、困りごとや何か必要なものがあるかを聞いて手助けをしたり、自分で車の運転ができない町民のために買い物の代行を行ったりしていました。そしてそんなことをしながら町の方達の生活を身近で見るうちに、ゴミの問題が見えてきたのです。
家庭から出るゴミは、そのほとんどがパッケージです。なるべくゴミを出したくないと考える町民の方たちは、なるべく大きな単位で購入したり、個包装のものは購入しない、という買い物の仕方をしていました。それでもパッケージのゴミはどうしても出てしまいます。
そこで田中さんが思いついたのが、“量り売り販売”です。早速「上勝百貨店」というお店をオープンしました。
食料品から生活必需品、米・砂糖・パスタ・お菓子・洗剤・油まであらゆるものを取り扱い、お客さんは自分の家から容器を持参して買いに来れば余計な包装が不要で、その分のゴミが出ないという仕組みです。町の方達は大変喜んでくれたそうです。・・・しかし喜びも束の間、そもそもこの町の人口では、この仕組みをビジネスとして継続可能な形で成り立たせることは、規模的にも難しかったのです。
そこでさらに田中さんは“人口流出を止める”という第一の目標に立ち返り、どうしたらこの町を訪れてくれる人が増えるのか、そしてさらに2度、3度と足を運んでもらえるようになるのか、ということを考え続ける日々を過ごします。
ビールを求めて人が集まる町
そのような中で、スペック社の周年記念の式典を開催することになり、その準備を始めた田中さん。何か特別で、わくわくする内容にしたいと色々調査を進めるなか、「オクトーバーフェスト*2」にたどり着きました。
また時を同じくして、東京では“クラフトビール”が出回り始め、知名度を上げていました。以前は“地ビール”と言っていたものが、新たにクラフトビールと呼ばれるようになり、一部の通の間で注目を集めていたのです。このクラフトビールについてさらに色々調べていくうちにどんどん興味がわき、スペック社内の生物工学を専門とするチームに相談したところ、早速ビールづくりに向けた試行錯誤の日々がはじまったのです。
そしてやるからには本場で学びたい、と、当時クラフトビールで世界の注目を集めていたポートランドへと田中さんは向かいます。そこで見たものは、数えきれないほどの色々な銘柄があり、それぞれのブルワリーが思い思いにビールを作っていて、それを目指して世界中から人が集まってきている活気ある町の様子でした。
さらに田中さんが興味を持ったのは、ポートランドで普及していた“グラウラー(ビールを入れるための水筒)*3”の文化です。タップからしか提供していない銘柄(いわゆる生ビール)などもあるため、お客さんはグラウラーを持ってビールを買いに行く、つまり、ビールの量り売りが行われていたのです。ここで上勝町の文化との思わぬ共通点を発見しました。
上勝町のあの景色の中で、できたての生ビールを飲める!想像すると楽しくなったといいます。
その後「上勝町でクラフトビールをつくる」プロジェクトに賛同してくれる仲間が増え、話はどんどん進み、今の「RISE&WIN BREWING Co. BBQ AND GENERAL STORE」が完成しました。
ブルワリーの建物は、田中さんの『ゼロ・ウェイストを形にしたらどうなるか、を表現した建物』というテーマに沿って、プロジェクトの仲間たちが設計を実現してくれたものです。店内に入ってまず目を惹く真ん中に配置されたたくさんの窓枠は、ゴミステーションから集めてきたものを組み合わせて使い、それ以外の建築についてもなるべく廃材を使い、そうでないものは町でできた材料を使っています。材料へのこだわりはもちろん、意匠にもこだわりました。よりたくさんの人に見てもらい、上勝町をそしてゼロ・ウェイストを知ってもらうには、“かっこよさ”はとても大事な要素でした。
なんとかして町の魅力を多くの人に知ってもらい、さらに多くの人に訪れてほしいという願いを込めてのブルワリーのスタート。事業でもうけることだけでなく、それ以上の責任を抱えての、上勝町に根を張ってこの町に還元していくというスタートでした。
かっこよいから、おいしいから、という入り口
「上勝町を訪れてくれる人を増やす」ことを目標として始めた事業は、その後のクラフトビールのブームとも相まって順調に成長し、2017年には2カ所目の醸造施設「KAMIKATZ STONEWALL HILL」もオープンしました。
今までは“ゼロ・ウェイストの町”を知って視察に来てくれている例が多かったですが、RISE&WIN BREWINGをつくってからは、田中さんの願い通り“ビール”を目的に訪れてくれる方も増えました。その方達に対しても、田中さんはゼロ・ウェイストの概念も伝えています。
「教訓だけを押し付けるのではなく、どうやったらうまくそういうこと(環境問題のこと)がその人の生活に溶け込むことができるか、ということを考えている」と田中さんは言います。
ビールはすごくカジュアルなもので、深く考えずに乾杯してみんなが飲めるところが魅力。「おいしいからビールを飲んでいたら、結果ゴミが減っている」という状態を目指しているそうです。そして「このビールおいしいし、さらに環境によいことをしているらしい」と、そのビールの背景に思いを巡らせてもらい、次のステップへ進んでもらうきっかけになったら理想的、と田中さんは語ります。
実際、ここでつくられているビールは何よりもおいしさにこだわり、ビールが嫌いな人でも飲んでもらえるようなビールを目指し、醸造しているそうです。
もちろん、ゼロウェイストの観点も取り入れています。ゴミステーションで行われているのと同じ取り組み“通常は廃棄されているけれどもまだ利用価値のあるもの”をつかってのビール作りです。果汁を搾ったあと通常は廃棄されてしまっている、上勝名物の柚香の皮をつかったビールを作っています。
また2018年の西日本豪雨の際には、豪雨で落下してしまい売り物にならなくなった柑橘をつかったビールもつくりました。
そして2016年、ついに東京にもタップルームを出店しました。東京で普及し始めたと言っても、まだクラフトビールがそれほど一般的ではない時期で、最初は“ワインはないか?”“ウイスキーはないのか?”と言われることも多かったそうですが、今ではみんな、クラフトビールを飲みに来てくれると言います。そして量り売りのビールを購入してくれたり、このお店で上勝町のことを知り、実際に現地まで来てくれる人も増えてきたりと、少しずつ、目指していたことが実現していることが伝わってきました。
東京都港区東麻布1丁目4-2 THE WORKERS & CO 1F
TEL: 03-6441-3800
営業時間: 平日12:00~15:00(L.O. 14:30)、18:00~23:00(L.O. FOOD 22:00 / DRINK 22:30)
https://www.kamikatz.jp/ja/taproom.html
ゼロ・ウェイストのエネルギー
田中さんは、ふるさとの人口流出や生産者の減少に疑問をもち、さらに日本でこれまで大切に受け継がれてきた食文化が途絶えてしまうことに危機感をもって、これらの問題に都度、ビジネス面からアプローチしてきました。海苔の事業も、上勝町で行うクラフトビールの事業も、常に “次の世代に何を残すか”が根幹にあります。
田中さんは以前自分の娘に、『パパはいつも楽しそうだけど仕事しないで遊んでいるの?』と言われたことがあると教えてくれました。“しんどい”こともたくさんあるが、まず自分が楽しくおもしろいと思うことを仕事にすること、そしてそんな仕事を自分でつくっていくこと。 “(仕事のときに)楽しげにしているとよくない”というような風潮を感じるが、やはりまずは自分が意欲をもって楽しんで、自分の仕事をつくりあげていくチャレンジをすることが重要。そして、そういうチャレンジこそ、上勝町のような小さな町でこそ、受け入れられ応援される環境があると、田中さんは語ります。
小さな町で、最初は小さく始まったチャレンジも、いつか波紋を広げ、大きく世界に届くようなものになる。例の海苔漁師の『海を守るために山を守る』というマクロな視点をもって、こんなチャレンジを次の世代にもどんどんしてほしいと田中さんは語ります。
RISE&WIN BREWERYのチャレンジもまだ続いています。このブルワリーをつくった当初から検討していた“エネルギーのゼロ・ウェイスト化”です。建設当初からパネルを設置しての自家発電を検討していましたが、日照時間やコストの問題もあり、なかなか取り組めていなかったそうです。しかし今般、「自然電力のでんき」と出会い、パネルを設置しなくても自然エネルギー由来の電力を使うことができる*4と知り、すぐに行動に移しました。
2つある醸造所の電力使用について見積もりをした結果、一つは電気代が安くなり、一つは電気代が少し高くなりましたが、迷わず、自然エネルギー100%・CO2排出量ゼロの電力プラン「SE100」に切り替えました。経済的な価値だけではなく、『RISE&WINのビールは自然エネルギー100%の電力でつくっている』といえることの価値を確信していた、と田中さんは言います。
上勝町での暮らしは、暖炉や薪ストーブで暮らしている家庭も多いそう。そしてそういった暮らしをしていると、何か木製のゴミがでたときにも、“これは薪にしよう”といった風に、自然と循環する暮らしができているため、石油を使うことを躊躇する気持ちもあるといいます。また特定の地域に大規模な発電所をつくることで生まれる経済的な不均衡なども感じており、エネルギーの分散化の必要性も感じているということです。今後はもっと、地域の方たちにもエネルギーのことを考えてもらえるきっかけになれたら、とおっしゃってくださいました。
そしてこの4月には、“WHY*5”という新しいゴミステーションがオープンします。これは、はじめの方でお話した、田中さんが最初に町に提案した新しいゴミステーションの構想がついに形になったものです。この施設には、宿泊施設やレストランなどもあり、そこに滞在しながら上勝町のゼロ・ウェイストを体験し学ぶことができるそうです。
他にも、田中さんの頭の中には聞いているだけでわくわくしてくるような構想がたくさんあります。“御用聞き”から始まった田中さんと上勝町の関係が今後どんなストーリーを続けていくのか、目が離せません。
編集後記
私個人がRISE&WIN BREWINGと出会ったのは、2018年の西日本豪雨のチャリティイベントでした。
東京にあるタップルームで行われたこのイベントで、『彼がこのビールを作っています』と、醸造責任者の引田さんを紹介され、とても驚いたのを覚えています。ビールを作っている人、とそんな簡単に会えるとは想像もしていなかったですし、彼はとてもカジュアルな若者だったのです。さらに彼は、『問題を解決するビールをつくりたい』と言いました。すごく大きなことのように聞こえますが、一つひとつのビールに想いとメッセージを込め試行錯誤しながら世の中に送り出し、直接お客様からのフィードバックを聞きながら真摯にビールを作る姿勢に、クラフトビールはこういうことなのか、と実感し、色々な地域にあるその地域の要素を詰め込んだクラフトビールをこれまでとは違った目で見るようになりました。
そして上勝町を訪れ、田中さん始め他のスタッフの方とお会いし、彼らの取り組み、上勝町のゼロ・ウェイストの取り組みを知り、みるみるその魅力に惚れ込み、その後数回上勝町を訪れています。
まさに、田中さんの描く『ビールを通して上勝町を知ってもらい、ゼロ・ウェイストの取り組みを広める。そして上勝町を訪れる人を増やしていく』というシナリオそのものを実行している、上勝町とこのビールの大ファンの1人です。
そして今回改めて田中さんにお話を伺い、「環境問題への取り組み」「ビジネスとして継続させることへのこだわり」「町と一緒にまちをつくっていくことへの覚悟」の3点の柱をみることができました。田中さんは、自分のふるさとへの思い、ふるさとをまた元気にしたいという思いをもとに行動し、上勝町の取り組みであるゼロ・ウェイストの取り組みを伝えること、そして多くの人を上勝町に呼び込むこと、さらに今事業として行うビールを通して上勝町やゼロ・ウェイストの取り組みをより多くの人に知ってもらうこと、を目指し取り組んでいらっしゃる。そしてそれらの背景としてつねに、「ビジネスとして継続可能であること」があることがわかり、文中にもある“運命共同体”という言葉を伺い、その強い覚悟を感じました。
以前田中さんが、「まずは自分たちが自立していないと、町や他の人を手助けすることなんてできない」と話してくださいました。
自立するために始めたビールの事業を見事成功させ、ほぼ10年をかけて取り組んできたプロジェクト(新しいゴミステーションの構想)をついに実現させ、今後についてもいつもわくわくするようなお話をしてくださった田中さんに感謝申し上げます。そして、今回のインタビューを通して、私はますますこのビールと上勝町が好きになりました。
上勝町に行くと、RISE&WIN BREWINGのみなさんが本当にこの町を好きだということがよくわかります。正直、観光してまわるほど色々な見どころがあるわけではありませんが、山間部の町らしいゆったりとした時間の中で、温泉、町のお母さんが作るおいしい定食や仙人(!)を紹介してくださります。
上勝町は、想像するほど、遠くはないです(笑)。ぜひ一度訪れてみてください。
Text by Rico Sato
- RISE&WIN BREWINGについてはこちら(オンラインショップもあります):https://www.kamikatz.jp
- 「自然電力のでんき」についてはこちら:https://shizendenryoku.jp
*1ゼロ・ウェイスト宣言
2003年に上勝町が行なった宣言。以下抜粋。
未来の子供たちにきれいな空気やおいしい水、豊かな大地を継承するため、2020年までに上勝町のゴミをゼロにすることを決意し、上勝町ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)を宣言します。
- 地球を汚さない人づくりに努めます!
- ごみの再利用・再資源化を進め、2020年までに焼却・埋め立て処分をなくす最善の努力をします。
- 地球環境をよくするため世界中に多くの仲間をつくります!
*2 オクトーバーフェスト
ビールの国ドイツのバイエルン州ミュンヘン市で行われるお祭り。1810年、当時の皇太子ルードヴィヒとザクセン皇女の結婚式を多くのミュンヘン市民が祝ったお祭りにちなみ毎年行われ、世界で最も規模が大きいお祭りとして知られている。
*3 グラウラー(Growler)
生ビール用の持ち帰り用の瓶。1.5リットルほど入る大きな物から、水筒のようなサイズまで様々。本格的なものはしっかり密封され、ビールが劣化しにくい工夫がされているものもある。再利用できる仕組みとして注目されている。
*4 自然エネルギー由来の電気をつかうことができる
「自然電力のでんき」の「SE100」プランでは、非化石証書(再エネ指定)の購入により、実質的に、自然エネルギー100%の電気の供給を実現します。
*5 WHY
2020年4月(今般の新型コロナウィルスの影響により5月に延期)に上勝町に新しくオープンするゼロ・ウェイストセンター。ゴミの収集施設や企業や大学向けの研究ラボ、宿泊体験施設などが併設され、ゼロ・ウェイストを学ぶための施設。
Text by Rico Sato