変わりつつあるライフスタイル
こんにちは、自然電力共同代表の長谷川雅也です。
今日は自然電力の目指す世界にちょっと近づいたときに、どんな日常や生活がそこにはあるのかを考えてみました。
コロナの影響でリモートワークも当たり前になりつつある今、僕は両親の暮らす海辺の町と自宅のある東京の間を、家族で行き来する生活を送っています。
平日でも物理的に移動が求められない日であれば、海辺の町の方に滞在し、早朝にサーフィンをして昼間はオンラインで働いています。家族と過ごせる時間が多く、自分の心にゆとりが生まれるせいか、家族も穏やかに過ごせていると感じます。
今後は、仕事場があるからここに住まないといけないといった制約を受けず、好きな場所に身を置く。都市中心ではなく地方中心の暮らし、もしくは都市と地方を行き来する生活。そういう選択肢が増えると思っています。
僕自身、13年前にこの自然エネルギー業界を選んだ理由のひとつに、「好きな場所=サーフィンができる場所」に、仕事でも身を置くことができる、というのがありました。
2011年6月の自然電力創業前に勤めていた再エネ会社では、風力発電所の開発を担当していました。風力発電所は良い風が吹く場所に建てます。良い風が吹く場所というと、海沿いが多く、海沿いで良い風が吹く場所というのは波も良い場所が多かったのです。
プライベートのための割り切った仕事、というのは自分のスタイルには合わなかったので、こうして働く場所=遊ぶ場所(プライベート)をシームレスにすることで、仕事もプライベートも全ての問題が自分事にできるようになりました。
そして自然エネルギー事業が進めば進むほど、自分たちの遊び場でもある海や山が気候危機から守られていくということが、今でも本当にやりがいに繋がっています。
コロナの影響で、必要に迫られ一気に進んだリモートワーク。
従来のやり方にこだわらなくても、多くの方がリモートで働ける時代がもうすでにやってきていると感じています。こうしたライフスタイルが一般的になると、個人は、より自分らしく生きることができるのではないでしょうか。
より自分のペースを大切にした生活の中で、一人一人の幸福度を上げることができると思います。
社会構造の変化
社会構造については、中央集権型から分散型へ移行できるようになっていくと思います。
今までの社会構造では、放っておけば雇用があって便利な都市部に人口は集中し、地方は過疎化が進み衰退するというのが一般的でした。
しかし、生活は安定したまま、地方を含む好きな場所で働けて暮らせるという選択肢が当たり前となり、各地域が多くの人にとって魅力的な場所になれば、地方の衰退を防げるかもしれません。
幸せの尺度は人それぞれなので、多様な選択肢が生まれるはずですが、画一的な都市のコピーペーストではなく、それぞれの個性が感じられる地方を維持していけたら、もっと豊かに過ごせるのではないかと思います。
一方で、都市部とは異なり分散した地方ならではの課題もあります。たとえば交通やエネルギー、水、通信など生活に必要なインフラの問題です。
自然電力はミニマムグリッドで、まずはエネルギーの問題を解決しようとしています。
「ミニマムグリッド」とは、太陽光パネル・蓄電池・最適制御システムを組み合わせた太陽光発電システムです。よく晴れた日には電気を自給自足し、火力・原子力などの大規模な発電所や送電線に頼る時間を減らし(ミニマムにし)ます。平常時では、蓄電池の電気を利用しながら料金の最適化を図り、停電時にはエネルギー拠点として独立して電気を供給することができます。
施設単体の防災対応力を高めるだけでなく、地域コミュニティにおける防災用のエネルギー拠点としての活用が見込まれます。
ミニマムグリッドはまだ始まったばかりですが、まずはエネルギーの側面から、こういった自立分散型のライフスタイルという選択肢をより多くの人にとって現実的なものにしていきます。そしてライフスタイルの選択肢が増えた結果、個人の幸福度の向上に加えて、日本の抱える地方の衰退という問題や世界中が面している気候危機に対しての一つの解にしていきたいと思っています。