分散型×脱炭素型社会における理想の”働き方” 後編

分散型×脱炭素型社会における理想の”働き方” 後編

前編はこちら:https://shizen-hatch.net/2020/07/22/directorsblog_001/


理想の働き方

 私は、テレワークや排気ガスの話を通して、これまで思い描いていた理想の働き方が、より明確になってきました。

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 まず、オフィスは「自然を感じられる場所」「文化・歴史を感じられる場所」「都会でもエネルギーの循環が感じられる場所」など複数あり、働く場所はオフィスだけでなく現場や家も含めて自由に選んで働くことができる。

また、オフィスは1つの会社が保有する(借りる)場所ではなく、同じ未来を考えている複数の会社・団体・個人が集うことのできる空間にする。月に数回、様々な切り口のイベント(チームメンバーの会、同じ専門性を持つ別の会社との交流、同じテーマについて話し合う場など)があり、そこでアイデアを磨き、アクションに繋げていき、また信頼を築いていく。

 

 それにより多くの人は毎日の移動が減り、排気ガスや二酸化炭素の排出は減る。またオフィスでのエネルギーは当然再生可能エネルギー。

どこでも真似できるよう標準化をし、情報をオープンにすることで、全国・全世界にそのようなオフィス・働き方を増やしていく。

この働き方が増えることで、働く人は自身のライフステージに合わせたその時々の働き方を選択できるようになり、オフィスはただの「行かなければならない場所」から「行きたい・行く価値のある場所」に変わり、地球環境に対する影響も大きく変わってくる。

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 実は、私が最初に働き方についてこのような想いを持ったのは、5~6年前、鹿児島県の屋久島に行ったときの出来事がきっかけです。

日曜の便で東京に帰るはずが、台風の影響で東京に帰れないことがありました。

「じゃあ、せっかくなので数日屋久島に残って仕事をしてみよう」ということで、月曜から屋久島で仕事をしてみました。

それまでは私にとっての「自然」は休暇中に触れるものでしたが、一気に「自然と自分」、「仕事とプライベート」の境界が無くなったように感じました。

きれいな川の音を聞きながら大きな岩の上でパソコンをうち、海が一望できるベランダで電話会議をし、少し時間ができたら海で釣りをして夕食でそれを食べる。

この経験をしてから、前述したような働き方をしたいなぁと日々考えてきました。

 実現に向けて

 このような働き方に向けて、テレワークの経験は非常に良いものになりました。

そこで、2~3年前から社内で少しずつ始めている「コラハブ構想」も、いよいよ推進していきたいなと思っています。

「コラハブ構想」は、同じ未来を見ている企業・団体と一緒に、バックオフィス機能を共有し、成功例・失敗例を積み上げ共に成長していく(例えば、従業員が増えたときにビジョンを伝えきるにはどうしたらいいか、想いのある資金を調達するにはどうしたらいいか、など同じ課題を抱えている企業は非常に多い)構想で、「実はバックオフィス機能こそ、色々な企業・団体をつなぐコラボレーションのハブになれるのではないか(略してコラハブ)」と考えています。

 

 今、単に利益を積み重ねていくだけでなく、未来に向けた活動に取り組む企業や団体が増えてきています。

このような団体は、明確なビジョンを持ち、強みとなる事業を軸として成長していますが、特にスタートアップ企業ではいわゆるバックオフィス機能(人事・財務・総務・経営企画等々)に余り力を入れられていないことも多くあります。

このコラハブ構想では、ノウハウの共有・人の交流だけでなく、場所の共有(そしてそこから生まれるコラボレーション)も期待しているので、まさに前述した働き方の実現とマッチすると思っています。

 

 私は今回これを書いていて、数年間掛けて貯まってきた色々なパーツを繋げることができました。ぜひ皆さんも、自分の理想の働き方を想像し、どうしたら実現できるかを考えてみてはいかがですか?

 

川戸健司

川戸健司

自然電力株式会社 代表取締役。

「自然エネルギー100%の世界を共につくる」というビジョンを軸に、新たな組織のあり方の確立に注力。年代・国籍共に多様なクルーたちが自立的に働ける組織のマネジメント、オフィスに依存しない働き方の実現に取り組む。また、ビジョンに向けた中期事業計画を刷新し、社会的・経済的インパクトが両立するためのアクションプランを策定中。他に資金調達を担当し、2019年には国内外の自然エネルギー発電所の開発を対象とした80億円規模の自然ファンドを設立に導いた。
大学卒業後は、風力発電事業会社を経て、2011年6月自然電力(株)を設立。1980年生まれ。
慶應義塾大学理工学部卒業。